ズバリ言うと、物損事故での慰謝料は原則として認められません。「原則」があるなら例外もあるわけですが、判例では「被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情が存することが必要」としています。
店舗兼住居に車両が突入したというケースでは、「まかり間違えば人命に対する危険もあり、家庭の平穏を害された」として、慰謝料を認めています。また、墓石に車両が衝突し骨壺が露出するなどした事案では、「通常その所有者にとって強い敬愛追慕の念の対象となる対象となるという特殊性に鑑み」慰謝料を認めました。
大事な大事な愛車が傷ついたのだから修理代に加えて慰謝料を!という気持ちは痛いほど理解できますが、残念ながら、よくある車対車の物損事故では余程のことがない限り・・・ということだと思われます。